父のことでこの1年間、必要に迫られ、病院や医院、福祉施設のことをいろいろ調べたり、訪ねたりすることが増えた。そんななか、いろんな医師にもお会いすることになり、面談したり、相談するなかでいろんな発見や学びを得ている。
尊敬できる医者とは。
人柄と親切、熱心さ・・・。知識、診察力、処方力はもちろん大前提であるが、
その先生を信じられると思わせる安心感が不可欠である。
偉そうで、冷たい、患者のことを上から目線でモノ申す医者は、こちらから願い下げである。患者やその家族は困って、藁をもつかむ思いでやってきているのだ。その思いに応えることができないドクターは・・・。
残念ながら、そういう方たちにはもう会いたくない、あそこには絶対行かないと決めている病院、医院、医師もあるが、またお世話になりたいと思える医院、医師は上記に書いたとおりの方々である。
そんななか、最近、その先生の生き方、生き様にまで興味をもってしまうような先生に出会った。
父の主治医の専門外ということで、紹介いただいた先生だ。
初めて訪ねたとき、その高齢ぶりに正直驚いた。
会社員時代の上司たちを思い出した。おそらく同年代だ。ということは父とも同年代・・。
この先生が非常勤勤務されている医院のサイトを見ると、なんと私が生まれた年に医学部を卒業されている・・・ということは??
年齢的には80歳を越えておられる・・・。やっぱり父親と同じ世代だ。
それにしても、熱心に人に話をきいて、相談しながら、判断してくれる。
まさに前ここにも書いた「ラポール(対話)」をしながら、より良き治療に向けを見出そうと懸命である。薬剤でわからないことがあれば、臆せず、すぐ調べる。その姿勢も真面目で、今ならネットで調べて分かった風の方もいるかもしれないが、アナログの姿勢も今は新鮮だ。
どんなに経験があっても、何でも知ったかぶりではなく、きちんと調べ、確認して処方されるところも素晴らしい。その謙虚さも好感をもてる。
「先生、先生はこの病院以外、どこに行けばお会いできますか?」
お聞きすると、いくつか他の勤務地を教えてくださった。地元の病院や老人施設の往診対応など、お忙しくされている。まさに生涯現役。
ふと、あの有名な日野原先生を思い出したが、ビジネスマンという感じはせず、
純粋に医師道を歩み続けておられる方だ。
若い医師も増えている。そんななか、患者の目をみながら、気さくに話しかけ、安心を届けるというコミュニケーションを大切にする医療。
「先生。先生こそ、お元気にいてくださいね。また先生にお世話になりたいと思いますので、くれぐれもお願いします」
そう、言葉をかけると、先生は笑いながら、「ありがとう、ありがとう」
と応えてくださった。
天職をまっとうする。見習わなければ。父のおかげで、新たな出会いをいろいろいただく日々。これも感謝だ。