こんな小物が事務所にある。
気が付けば19年間、ずっとデスクの上にある。
あんまりじっと見たことがなかったが、改めてよく見ると
エスキモーが犬を抱いている。
現地ではもうすぐそんな季節がやってくるだろうか・・・。
これは、2001年9月11日のNY同時多発テロが私に
遺した、数少ないアラスカ土産となった。
まさか、アラスカのオーロラの町、フェアバンクスに
行くことになるとは、夢にも思わなかった。
この日。シカゴ経由NY行の飛行機は、大雨の中、
何時間も遅れて成田を離陸、どこも経由せず
上空をくるくる回って、アラスカに緊急着陸した。
あれから、19年。
21世紀になってまもない世界を震撼させたこの事件。
テロという言葉が身近になってしまった、きっかけになった事件。
そのとき、私はNYに行けずに、アラスカへ・・。
本当に人生はわからない、不思議すぎる。
20年を迎える前の年に、コロナ感染というパンデミック・・。
今は飛行機に乗って、NYに行くこと自体が危険と
思えてしまっている。
ふと、この小さなエスキモーを見ながら、
アラスカでは、今コロナはどうかと想像してみる。
世界にこんな共通語ができてしまったことは皮肉だ。
コロナがテロでないことを祈りながら、
このあっと言う間の19年という歳月に、いろんな思いをはせる。
同じ飛行機に乗っていた仲間たちは、みんな、
元気だろうか・・・。
何年経っても、犠牲者のご家族や身近な人には
決して忘れることができない、事件である。
私にとっては、人生とは生かされているということを強く学んだ、
教訓の経験だ。
風化してはいけない。平和にならなければならない。
来年で20年・・・。
エスキモーのあの街で見たオーロラを、思い浮かべながら。