もっと前から来てよー。

コロナの影響は続いている。自粛、ソーシャルディスタンスからライフスタイル、消費の動向が大きく変化。食品スーパーやドラッグストアはプラスの影響、一方衣料品や外食関係にまつわる店舗、関連の業界は大変厳しい。今後は製造業その周辺にも影響が及びそうだ。特に外食店では、閉店せざるを得ない店舗も増えている。そして、知り合いの店舗も例外ではない。

ある店舗。コロナの影響による苦渋の判断。閉店が決まり、営業最終日を迎える。
気になって最終日、その店に行ってみると、お客さんが多く訪れ、にぎわっている。一見、普段通りだ。不思議なものだ。人がいると、お店は生き生きして見えるのだ。
明日になっても、また足を運んでくる人がいそうだ。

今日だけじゃなく、もっと前から来てくれたら店を閉めなくて済んだかもしれないのに。と、この最後の盛況ぶりを見て、複雑な思いになる。
お客様とは、そんなもの。
皮肉なことに営業最終日に賑わう。そんな店をこれまでもいくつも見てきた。
そのとき、いつも従業員さんの明日が頭をよぎる。明日からどうするのかな?と。

コロナがきっかけで、親しんできたお店の灯が消える。
大変寂しいことであるが、「ずっとある!」ことは当たり前ではない。
お客はそこでの思い出を大切に。
働く人はそこでの経験を糧に。
それぞれが前に、次に進む。

つくづく日頃からの積み重ねの大切さを思う。
「毎日が最終日」という思いで、とりかかっていくことが明日につながる
のかもしれない。


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