八百屋の賑わいが生み出す力

八百屋という言葉が好きだ。百貨店より数字が多いせいか?八百屋さんの店頭は、カラフルだ。自然の色は凄い。同じトマトの赤でも品種により、農家により、違う。赤、緑、黄色、オレンジ、黄緑、白、紫・・・。野菜や果物の色は、見るだけで人を吸い寄せるパワーがある、まさに恵の色パレットだ。
そんな野菜や果物をずらり並べる、元気な八百屋があると、その周囲もみるみる元気になり、お客さんも吸い寄せられるように集まってくる。
大手スーパーやデパートの売り場。こちらも品揃え豊富で、見ていて楽しいが、八百屋という業態はさらに魅力的だ。
専門店という存在が貴重であることと、大手量販店のように画一的ではない点、
人の顔、人の目が伝わるという点。この人が、こだわってあの農家から仕入れてきた。というストーリーが見えやすいのも良い。
専門店の魅力はいろいろある。もちろん値段も手ごろであれば、尚良し。
この2年ほど、ずっと注目してきた八百屋さんがある。岐阜駅の構内にある期間限定の八百屋!カネ井青果という店名であるから、一見、八百屋なのである。
でも、ただの八百屋ではないということがすぐにわかる。
豊富な品揃え。決まった農家からきちんと仕入れている信頼関係がわかり、またお値段がとても安い。こんなお客にとって嬉しい八百屋は珍しいのだけれど・・・。奇をてらったディスプレイはなく、商品そのものがまさに主役であり、手書きのPOPがこれまた人肌を感じる。
何度も利用しながら、この八百屋さんは、仲卸の会社が運営していることがわかった。なるほど。抜群の仕入れ力があっての店舗運営。いいものを適正な価格で自信を持って商品を提供できるのだ。
一度買ったら、納得。お客さんはみるみるリピーターになる。
この繁盛店。このたび閉店。期間限定ではじまったのだから、無理もないか・・。と肩の力を落としかけたところ、同じ駅ビルの中のさらに目立つ場所に移転営業することがわかった。
多くの利用者が安堵したことだろう。
さて、そのお店は、移転後、営業再開した今も、順調にお客様を集め寄せている。
若い店長や女性スタッフがいきいきと働く青果売り場。社長自らも売り場に出て、丁寧に品出しをする。自信が仕入れてきた青果を見る目には、真剣かつ愛情も注がれる。お客さんとの対話が楽しそうで、八百屋ってこんな感じだったな~とその空気をも懐かしく思わせる。
八百屋が元気だと駅も、町も活気づく。コロナに負けない、勢いの店には人がさらに集まる!思わず行きたくなる八百屋。今、元気に成長を続けている。
(本記事の詳細は後日、別途公開予定)

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