念願の平戸へ。いやいや、マカオやリスボンに行くと同じとは言わないが、国内と思えないほどの遠さ。長崎県は不思議なところだ。
ザビエルサミットで市長のお話はお聞きしていたが、ザビエルがたずねた平戸とは?
高倉健の映画のロケにも出てきたこの町、本当に映画どおりの町であった。どこまでいっても静かだ。若者や子供の声をあまり聞かない。観光地であるが、天気により人影も少ない。観光地であるから、町はきれいに整ってはいるが・・。18時すぎると、店も営業を終わる。そういえばその時間に教会の鐘が鳴った。これが今日のおつとめ終わりの合図なのかもしれない。この地の人々は夜をどう過ごしているのだろうと思わず想像してしまう。土産店では、腰がまがったおばあさんたちが気張って接客されている。そこはさすが観光地だ。説明はてきぱき、しっかり伝わる。お年寄りがこの町を支えているのが心にしみる。東京から来たというと、伝統菓子店の女将さんは何度も何度も挨拶をして送ってくれる。町のタクシーも優しいドライバー多く、ここは、もしかしたら人に惚れる町かもしれないと思ったりもする。訪問した市役所ではアポをとった方以外に、部長さん以下関係者の方に一緒に会っていただくことができた。「これも縁ですから。みんなで共有しておきましょう」という言葉も都会の役所ではありえない光景。ちょっとなつかしい役場の会議の光景が目に浮かんだ。
ザビエル訪問から450年以上経過し、時代はすっかり変わった。かつてポルトガル船やオランダ、イギリスの商館もあったこの地は
少し時計が止まったままのような感じがある。遠いだけのことがある。ここで何を感じるか。
ザビエル関連の建造物を見聞きしながら、過疎化したこの町をいかに後世につなぎ、伝えるか・・。他人事ではない課題をもらって次の訪問地へ向かう。
あなたへ、私へ向かう。とことん、ノスタルジーな町。
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