夜中2時。起きるには少し早いかと、録画した番組をONにしながら目を閉じていたら、突然、大きな音がした。
「火事です、火事です。9階で火災発生。速やかに避難してください」
という内容で、サイレン音とともに、だんだん大きくなって、何度も繰り返された。
寝ぼけている場合ではない。地震も困るが、火事は直近の恐怖だ。
瞬間、おろおろして、動揺する自分をおさえて、冷静になろうと思いながら、貴重品をリュックに入れる。親の貴重品、自分の・・。まとめて入るリュックを探すにも、焦って手間どる。これじゃ入らぬ、これでもない。と寝ぼけているので余計な動作も増える。もちろん顔も洗っていなければ、とにかく世間も寝ている時間だ。とにかく普段着に着替え、こわごわエレベータがまだ動いていたので、乗って階下に降りる。後で思えば、賢明な方は階段で降りていた・・・。
すでに同じマンションの方たちが、寝起きの状態で、避難されていた。
東京に住んでいたときは、一度、階下の飲み屋さんのボヤ騒ぎに巻き込まれたことがあり、そのときを思い出した。どこが?とビルを真下から眺め、煙や炎は出ていないものの、ずっと警報器が鳴っているので、部屋に戻れなかったらどうしようとドキドキしながら、待機。
15分ほどすると警備会社の車、そのあと消防車2台が到着。
夜中の仕事、皆さん、本当に大変だ・・。安心感とともに、そっちに意識が向く。
消防士の皆さんが、建物内に入っていかれた。15分か20分後、とにかく火の気はないことが確認されたので、部屋に戻って良いということになり、順番に部屋に戻った。そのときも、ずっと報知器が鳴り続いていたが、もう火元がないときいて安心だ。
消防士や警備会社の方の仕事!今回は、人命救助にいたらず、誤報であったが、こんなときも出動せねばならず。もちろん本物の火事でなく、良かったのであるが、24時間365日、緊急事態に命をかけて、対応される仕事・・・。
こういう方たちのおかげで、安心して暮らせていることに改めて気づかされる。
ふと、私が持ってきた荷物。なんと、スマホを忘れていた。
お金やカードと同じぐらい、今やスマホが大切なのに。さらに、
避難するとき、マスクをしていなかった。
同じく避難されている方の中で、マスクをしている人は30名のうち
1割程度であった。
夜中、寝ぼけていても、マスクをして、スマホをもって、避難されている隣に立っていたおそらくビジネスマンらしき人の冷静さに頭が下がり、私はダメだな~と反省。その人はずっと待機中もスマホを見ていたが・・。冷静なんだ。
今回の夜中の避難訓練で、私自身、自分がいざ!にいかに弱いかがわかった。
こういう機会はもちろんもうないに限るが、この教訓をぜひ生かしたい。
同じビルの皆さんは、睡眠不足で、翌朝、仕事に出られたことだろう。
訓練は大事だ。そして、訓練のままで終わることを切に祈る。
コロナ時代、それに上乗せの緊急事態、もうやめてほしい~。という気持ち。
とにかく夜中の避難訓練は、大いに役立ち、静かに眠れ、平穏に朝を迎えられることのありがたさを痛感。有難いの意味を改めて、かみしめる。