拍手をきかせたい・・

京都出身の知人の作家。ラジオドラマや劇作を創る女流作家。
こちらに彼女の思いが書かれている。
https://blog.goo.ne.jp/blets-kyoku

コロナ感染拡大直後、いったいどうしたもんか?と言い合いながら
エールを送っていた。
そして、このたび、このコロナ禍での人々のさまざまな心象をモチーフに、
ひとりの女性の独白を中心に展開する、20分の朗読劇を書きあげ、
それをネットで初の生配信に挑戦。
前日に案内をいただき、可能な範囲でPRの協力。都内では出かけない人も
多いであろう四連休の初日であり、もしかしたら見てくれる人もいれば・・。

1日4回の生配信。
しかも、無料。大丈夫かな。そっちも気になる。
自分たちは作家である、俳優であるという誇りこそが、この行動を生み出したと思う。
東京の劇場で開催であれば、駆けつけることができなかったが、ネットであったが故に京都の仲間や新潟の知人にも声をかけ、自分も時間を合わせて、名古屋から視聴することができた。遠くからありがとう!と感謝のメッセージが入った。

これまで何度か共演してきただけに、今置かれている状況の作り手や演じ手の思いが、セリフひと言ひと言から、朗読する表情の変化からじわりと滲んできて、気が付けば涙が静かにあふれ、パソコンのキーボードにぽたぽたとおちた。
えらいね、ちゃんと表現している。ちゃんと作家を、役者を貫いている。
少しでも、この困難な時期を生きる人に元気や勇気を与え、寄り添いたいという思いがあふれていた。そんなことに感動した。

やっぱり表現しなくちゃダメ。表現したい。アーチストとはどんな時でも、そういう使命感にかきたてられ、存在することができる。それは経済とは別の次元で・・。単に有名になりたいとかお金を設けたいという欲望とは違う。
改めて敬意と共感が生まれてきた。

20分の朗読劇。すぐ終わる。自宅で見るには、ちょうどよい長さなのかもしれない。
役者が立ち上がって、頭を下げたとき、パソコンの前で拍手をした。
聞こえてくれ~と思いながら・・・。

やりたいこと、すべきことに対し、適した手法があれば、試してみる。それは必要なこと。すべきこと。

でも、やはり、本当は劇場で、同じ空間のなかで、演じたいのだと改めて思う。
今回のウイルスは、人間の一番大切なコミュニケーションというものを
根底から変える、恐ろしい存在。

それでも、生きる。それでもあきらめず自分らしく強く生きる。

今回の朗読劇から感じたことは、そんなこと。
おかげで、今せねばならないことが、私の中にも、新たに湧いてきた。

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