香港、涙の風。

大好きだった、香港島と九龍島を結ぶスターフェリー。乗っている10分ほどの間、さわやかな風が頬に触れた。そして、フェリーを降りると湿気たっぷりの香港特有の空気が身を包んだ。あ、香港だ。いつもそんな感覚がした。

1997年7月1日。イギリスから中国に返還された香港。あのときのセレモニーのことを、今も印象深く覚えている。
チャールズ皇太子が、香港に来て、その儀式を執り行われた様子を報道で知り、
ああ、香港が中国になってしまうのか・・ととても悲しい、寂しいなんともいえない気持ちになってみていた。
アジアなのに、ヨーロッパの風が吹き、自由で、みんな英語で会話して、活発にいきいきと生きている・・。そう、香港人は活発な印象であった。
台湾とも共通点があるが、やはりイギリス領土であったため、どこかあか抜けている、憧れもあった。返還後も数年は足を運んでいた。まだまだ自由な空気は変わらなかった・・・。
しかし、こんなことになってしまった。
一国二制度は形骸化。
あの自由な、民主的な教育も受けてきたHONGKONGの人たちは、これから
どうなってしまうのだろうか。
テレサテンが生きていたら、どう思うだろう。

今後、香港の人たちはどうするのだろう?

このままで生きていけるだろうか?
おそらく多くは台湾へ、カナダへ、イギリスへ 移住するだろう。

自由を奪われるなんて、どんなことだ。
他人事と思ってはいけない。

私の中の大好きな香港。ずっと忘れてはいけない。
香港の町を包むあの湿気。
きっと23年前と比べ、人の涙でより濡れていないか。
べたっと重苦しい感じがないか・・・。

自由の似合う、香港。悲しい7月1日。
そこに住む人に、若者に寄り添い、彼らの人生が
うまくいくように応援したい。

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