チャンスをみつけ、動く力。

ある事業主の方。私の創業と同じ年なので、22年間、その方も単独で踏ん張ってこられている。もともとは着物の商いをされていたようであるが、今はその経験を活かしながら、地元に根付く「からむし」という素材に着眼され、その「からむし」からさまざまな商品を企画、開発、そして20余年、走り続け、「からむし」も知る人ぞ知る存在となった。
「からむし」は、植物の一種で麻の一種になる、その原料でもある。
このからむし栽培を推奨した直江兼続の思いを受け継ぎ、自ら栽培をし、繊維製品はもちろん、食品やアートまで、さまざまなからむしアートを創造し、すっかり地場産業として定着されるところまで、尽力されてきた。
そして地域の子供に授業をしたり、地域の活性化のためにからむしに関わる仕事を創造し続けておられる。
しばらくご無沙汰していた。
久しぶりのメールに驚く。
「たまたま、からむしでマスクを作ってみたら、このコロナ騒動でとても好評で、このままマスク製造も広げていくつもりです」とのこと。
この方、いつも時代のニーズを先読みされるのか、この時期にマスクをつくっておられたとは・・・。
あまりの人気に、その天然素材は限りがあり、今しばらくは他の素材でも製造されているが、この夏に向けて、からむしの夏マスクをつくるとのこと。

思わず、私はラベンダー色のマスクがあったら・・・とリクエストをしたら、早速、染色して生地にするとのこと。
うれしい!オーダーマスクの出来上がるなんて。
きっと紫のマスクをつけたい人は多くいると思う。売れるだろう。

この方は、からむし伝道師として、人生の後半をひたすらからむしの啓蒙活動をされているが、見事にぶれずにずっとからむしにこだわり、コロナに負けずがんばっておられる。

これから何ができる?何がうける?

時代に敏感に反応しながら、周囲がまだ止まっている間に動き始める。

その瞬発性、行動力は20年前と変わらない。

どんなときでも、チャンスをみつける力。
これは大変重要だ。このミスターからむしとは、起業年数だけでなく
ポジティブである点も共通している。
からむし一筋という、その生き方にも心から敬意を表する。
ブレナイからこそ、そのことばかり考えているから、チャンスをみつけるのも早いのかもしれない。

夏のマスク・・・。もちろんその頃には、必要ない世の中になっていてほしい。


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