すべて見直し、出発。

新年度である。
これまでであれば、学校も企業も、個人も桜咲くこの季節に、心新たに
それぞれが向かう道を歩み始める。胸膨らむ新たなスタート。

だが、今年は違う。見えない敵と闘いながら、試行錯誤が続く、不安な
はじまり。
今後、世界はどうなるのか、見えない。
ゴールが見えないから、シナリオも描きづらい。
今できることは、まず我慢すること。待つということ。
そして、その間に今後の世の中の動きを自分なりに冷静に見据えながら
どう生きていくべきか?について、よく考えること。
当然、いろんな見直しを迫られる。
国も、企業も、家庭も、個々人も・・・。

この2か月で見えてきたことは、
人間が生きるためには、食べることが一番大切。
だから食に関するビジネスは重要。
しかし、外食産業は今しばらくか、今後も先細りしていく可能性がある。
毎日食べていかねばならないが、贅沢はしなくなってくる。
アウトドアの娯楽、外出にもおのずとブレーキがかかってくるだろう。
だんだん人々がそんな意識に変わっていくはず。

毎日食べる、そして命を守る。これが生きるためにまず必要なこと。
余暇・趣味にお金をかけることは二の次だ。

経済成長と騒いできた20世紀後半から今日までの道のり。
それがこのタイミングでガラリと変わる・・・そんな兆しが世界から見える。

今は、派手でなく、バブルでなく、
長く無事に普通に生きていく方が、いのちにとって重要だという価値観になってきている。
消費を無駄に増やす必要はなく、いろんな意味でサイズダウンしていくこと。
これから、こちらの生き方にシフトしていくだろう。

生きることへの価値観も、いきがいも変わっていくのかもしれない。
経済ファーストではじまった、あるいは利権ファーストで進んできた
オリンピックがこの時期にブレーキがかかったことも、ひとつの見直しの
機会なのではないか。

見直す。自分たちのこれまでの考え、ふるまいを。
生きていくということについて、さまざまなつながりを今一度見直し、
新たに生き直すことが大切だ。

やっぱり、見えない力が働いているような。
ウイルスも見えないが、何か違う力を感じつつ、
自分の小ささを改めて感じ取り、謙虚になって、生きたい、新年度のはじまり。

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