ヨーロッパ、アメリカ、アジア各地の人の消えた町の様子、病院に運び込まれる人たち、大量の棺が並んだ集会所、これまで見たことのないマスク姿の欧米人、がらんとした空港や地下鉄車内・・・。など想像もしたことのなかった場面をメディアを通じ接することになったこの1ヶ月余りの日々。小説か映画の世界かと思うようなことが、今世界で起きている。日本はこれからどうなるのか?こちらも見えない。
目に見えない敵との闘い。
連絡を長い間とっていない、連絡先も不明な、いろんな国のいろんな知人の顔が蘇る。
イタリアのあのマンマはかなり高齢だったけれど大丈夫か?ナポリ訪問で知り合った千葉出身の彼女は?ニューヨークの馴染みの店のスタッフは?お世話になってきたご夫妻は?ニューオーリンズの彼女たちは?ジャズミュージシャンは??ブエノスアイレスのあの親子は?ホテルのスタッフは?あのタンゴ歌手は?
中国の彼女はどうされているか?マカオの彼は?タイの友人は元気にしているようだったけど、今はどうだ?
と、毎日、その国の映像が出るたびに、彼らの顔が浮かんでくる。
これまで自由移動が当たり前と思ってきたけれど、この先どうなるのかは、わからない。
オリンピックを1年先といっているが、それも果たしてどうなのかは見えない。
これまでの経験を越えて、いろんなことが人間社会を襲っているのだから。
安心して移動できる社会。一定の注意はこれまで以上に必要になるだろうが、それでも自由に行き来できる社会が戻ってほしい。
私にとって、今の一番の願いは、それだ。
それまで愛する世界の街、そこに住む友たちには元気にいてほしい。
特定の場所ではなく、世界中を心配せねばならないとは。人類史が終末に向かっていないことを願う。