ずっと療養されている知人。15年近いおつきあいになろうか。
今、その人のことをずっと思い続けている。
同じ女性として、心から尊敬できる真のキャリアウーマン。素晴らしいリーダー。素敵な女性。人生の大先輩が広報の勉強会に来てくださって、そこから10年以上かけて、公私のお付き合いに発展した。
本当に何でも相談できた。人生を勉強させていただいた。私の音楽も気に入って、応援してくださった。いつもお会いするときは、笑いが絶えず、お互いのパワーを交換した。
ある日、病気を告げられた。今も忘れられない。新潟のある駅の改札の前で・・。一瞬、うつむき、肩寄せ合って「頑張りましょう!」と励まし、涙を流した日から約10年。
持ち前のバイタリティで病気のこともよく自分で調べ、積極的に治療をされた。抗がん剤との戦いも続いた。元気になると連絡を取り合い、外出できるときはお茶したり、食事も。ただ、食事の回数、ご一緒する回数、量は次第に減ってきた。治療や療養で外に出られない時は、心ばかりのお花を送った。
一昨年、念願の地元でのコンサートを地元のみなさまのご協力をいただき、実現。大盛況で終わることができ、その方は私がその人のためにつくった曲「想人」を演奏すると、客席で涙を流しながら、聞き入ってくれた。
「これで、思い残すことはないです。これから冬眠します」
と言われ、再び治療に・・。
それから、もう抗がん剤はやめます。と連絡いただいたのが1年ほど前。
もう苦しいのは、痛いのは嫌。もう最新の治療もいい。
自然に生き、そして最後が来ても・・・。
との選択。その決断に納得した。本当につらい日々を長く生きてこられた。
その挑戦が心痛くもあったから・・。
それから、昨年、一度だけ、お茶をご一緒した。
その後、モノとメールでのやり取りだけが続いた。
雪が降っている間は無理だから、春になったら会いましょう。
そんな約束をしていたのに・・・。
コロナの影響で、面会謝絶となったとの知らせ。
「もうお会いできないかも・・・。コロナのせいで、妹たちにも会えません・・・。本当にいろいろご心配かけました。コンサートのことなど思い出しています。どうぞ幸せに過ごしてください・・・」
と、こんなメールが届いてしまった。
「ダメですよ。もう一度お会いしますよ。想人」とすぐ返信するが・・・。
もうお会いできないとは信じたくない。
コロナの影響で、こんな人生の瀬戸際にいる方がいる・・・。
会えない代わりに・・・と願いをかけてお花を贈る。
祈っている。その人のことを今朝も想っている。
もう一度会いたい。でも、私より先に、妹さんたちに逢えることを
心から願っている。
コロナ・・・こんなところまで・・・。
歩きながら、「想人」を今日も歌う、歌いながら、歩く。
もう一度、会いたい・・・。