少し時間ができたとき、心を開放したいとき、出向く場所。
セカンドプレイス、サードプレイスという表現があるが、自分をときにリセット、時にリボーンさせてくれる場所。一人で訪れるのがいい場所だ。それは人によりさまざまであるが、私が最近気に入っているのが名古屋市内にある楽器店の楽譜売り場だ。小学生時代、毎日のように通ったレッスン場があるビル。
そこの音楽教室フロアに半世紀前に通っていた。今は、その下の楽譜売り場。
そこに行くと、子供の頃から親しんだ曲、試験に演奏しなければならなかった曲、ニューヨークや京都などのコンサートで聴いた曲・・・。ピアノ曲からオーケストラ曲まで、そして楽譜だけでなく、音楽に関する書籍もある。
銀座の店舗に比べれば、規模は大きくないけれど、散歩しながら行けるというところ、またすいているため、ゆっくり過ごせるのもいい。
本好きは人が、書店に行く、図書館に行くのが好きなように、私はそちら以上に楽譜売り場が好きだ。
気になった曲の楽譜を見ながら、いろんなことを思い出す。そして、また弾いてみるか、よし、これに挑戦するか。と決めた楽譜を選んで買う。
たくさん買っても練習が追い付かないので、今は一回につき1曲と決める。
昔は、難易度が気になっていたが、今はきれい、美しい、心にしみるかどうか。
最近は、各作曲家が作っている同じタイトルの曲を弾き比べという楽しみもみつけた。たとえば「舟歌」。主にはベネチアのゴンドラをイメージするが、
いろんな作曲家が描いた舟歌を聴き、弾き、心のイタリア旅行を楽しむ。
メンデルスゾーンの舟歌はあまりに有名、ショパンはちょっと練習が必要。今回はチャイコフスキーの舟歌の楽譜を入手することに。
名曲アルバムで聞きほれた名曲だ。
そんなこんなで、今、飛行機に乗るのはちょっとリスクがあるため、こんな風にして心の旅を楽しむ。仕事の合間をぬったわずかの時間、そして楽譜はワンコインでも買える。
ついでに、ベートーベンと世界史の本も購入して・・。
人は心の旅ができる。これはWEBの世界とも違う、私の心の奥底に広がる一人旅だ。そんな時間がとても、気に入っている。
こんな時こそ、こんな時だから。日々の楽しみ方を工夫したい。