東日本大震災から9年。忘れてはいけないこの日。東北の知人たちにエールのメッセージを送る。コロナ騒動で、こちらのことがあまり取り上げられなくて、しかも記念イベントも自粛で、、、。せっかく復旧したと思ったらコロナのせいでキャンセル続きで・・。との返事などをいただく。
そして、以前、被災地でのチャリティコンサートや寄付の件などでお世話になった地方紙にもメールを送った。
しばらくすると、その新聞社から返事が来た。交流いただいた社長さんご本人からの返信かと思ったら、当時、コンサートの取材をしていただいた記者の方からであった。お久しぶりである。
3月11日のメッセージに感謝されたあと、実はこの1月に社長が亡くなったとのこと。
へ?うそ?まさか?
そろそろ会いに行かなくちゃと思い、以前いただいたお手紙の文字を懐かしく拝見したところであったのに・・。
昨年までは年賀状も来ていた・・・。ああ、そうなんだ~。
なんだか、悲しみが一気に押し寄せてきた。
お聞きするところによると、震災が起きる前に、会社を高台に引っ越ししておられ、会社自体は壮絶な津波が町を襲ったときも被災を免れ、甚大な被害を被った地元に向け、必要な情報を毎日流し続けたという。思い起こせば、お会いしたのは二度しかなかったが、「マーサさん」と呼んでくださって、コンサートのことも、ささやかな寄付のことも面倒な顔ひとつされずに、いろいろ面倒見てくださった。
最後にいただいたお手紙は、お母さまが亡くなられて寂しい・・と書いてあったものであった。そうか・・・。
被災した地元に心を寄せておられたこの方、どんな気持ちで生涯を終えられたのだろう。
メールをくださった方によると、まもなく娘さんが後を継がれるそうだ。
震災があって出会った方。いつでも会えると思っていた自分を悔いる。
地域に根差すメディア。この存在こそが、大切であることを教えていただいた。心からご冥福をお祈りし、地域にとことん根差した勇気と愛に満ちた、報道人として、その生きざまを、心から敬意を表したい。
地域に生涯を捧げた、報道人への思い。
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