NYのジャズクラブに毎夜通って、最前列の席に座り、ライブが終わるまでに、
その演奏の様子をイラストにするアーチストがいるということを知った。
その人の日々の仕事は、警備関係のようであるが、事情あってその仕事をしているが、幼き日から、絵が描くのが好きで、勉強もしていたというから、生粋の
アーチストであることには間違いない。ただ、職業としてはたまたま違うことをしているだけのこと。
その人は、ライブハウスで、ジャズが流れてくると心が自由になって、自然と絵筆が浮かび、そのライブの様子を描き始める。音楽が流れることで、自分らしい作品がかけるのだという。彼は作品をミュージシャンに見てもらい、喜んでもらうことも、そして自分自身がジャズを聴きながら作品が描けるということが何よりの幸せのようだ。聴かないと浮かばない、聴くことで描けるという点がすごいがその動きは共感できる。
このことに刺激を受け、ちょっと久しぶりにピアノに向かう。
不思議だ。いろんな思い悩んでいることも、苦しいこともベートーベンやショパンを、タンゴをシャンソンを・・弾いていることで、その世界に入り込んでいく
自分がいて、なんとも自由な幸せな気持ちになってくる。
ああ、演奏をしているときは、私は自由で、私らしくいられるのだ。
と、改めてそんなことを思った。思えばそうだった。幼き日も、親に叱られた時、泣きながらピアノに向かい、ひたすらに弾き続けた。怒りや悲しみや負の感情をほぐし、音色の美しさで心を温め、自分の世界に入った。
そう、音楽で自由になる。音楽は私を解放してくれた。
自由とは、カラダだけでなく、心の問題。
ああ、音楽があってよかった。
音楽は人の心を解きほぐし、自由にしてくれる。
そのことを知っていて本当に良かった。