「いつか会いましょう。」

昨年秋、現地で知り合った青年から初めてショートメッセージが届く。
マカオのタクシードライバーだ。
「長いこと会ってませんが、お元気ですか?」
英語の短文で綴られている。
おそらく、新型ウイルスのことがなければ、彼からメールが来なかったかも
しれない。
連日のニュースを見て、日本イコール私のことを思い出してくれたのかも
しれない。
前にも書いたが、彼はもともとマカオのカジノで働いていたが、この業界で働くことのつらさと、拝見主義の世界に疲れ、30代半ばで転職した。
しかし、マカオのカジノの成長は中国観光客に支えられていることもよく
理解しており、香港みたいに主張していたらマカオは成り立たなくなる・・とも
言っていた。
昨年訪れたときは、香港の代わりに大変にぎわっていたマカオ。
今は観光地のお土産屋さんも閑古鳥が鳴いている・・。
「マカオはどう?気を付けてね。またいつか会いましょう」
「会いたいです。でも、今は危険」
簡単なやりとりではあったが、状況を察知する。

個人的にはバブルな中国人の訪日、消費はもう打ち止めでよいのではと
思いつつも、この状況のままでは、世界経済は立ち行かない。
大変難しい、厳しい今日である。

いい感じで回復し、落ち着いた環境で、タイミングで、静かなマカオに再び
寄りたいものだ。

いつか、会いましょう。

そんな言葉を交わしている人たちが、海を越えてたくさんいることだろう。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク