思えば、高校時代まで毎日自転車だった。国道であろうが、狭い路地であろうが、坂であろうがへっちゃら。夜、チカンにあいそうになったこともあるので、かなり速く走ることができるようになっていた。前のかごの中に皮の鞄を無造作に入れて乗って鞄が傷ついたり、本の表紙や角が破れたり・・・自転車通学では何かと反省が多かったが、とても開放的で良かった。雨の日は電車バス通学になるのが、嫌だった。中学校時代はヘルメットを着用しなければならなかったが、高校時代はフリーで自由な感じ。そう、自転車に乗っている時間は自分との対話の時間、歌を歌おうが、何をしようが自由な世界があった。そんな幸せを意識したことがなかったが、久しぶりに田舎道で自転車に乗り、わが青春の日々が蘇った。
どこの町でも、観光地と銘打っているならば、最近では世界でも珍しくないレンタサイクル。都内でも実施している区もあるし、地方でも取り組み事例が増えてきた。今回は房総は鴨川。菜の花のイベントをやっていると知り、どんなものか知りたく、自転車を借りてガタガタ道を走る。
田んぼ、田んぼ、そして菜の花畑が広がっている。人混みでない、車も来ない、道は広い。天気は曇り空で今にも降ってきそうなギリギリなところがまたいい。
なんだか久しぶりに自転車に乗って、都内での暮らしと違う楽しさを感じた。ケッタマシーンと、昔呼んでいたのに、今は自転車は都会人のエコ・健康ツールになって、ずいぶんおしゃれな感じだが、私が今回試したのは、いわゆるママチャリに近い、昔ケッタマシーンと親しみを込めて呼んでいたころのデザインである。
自転車はいい。なんだかひと世代若返る感覚だ。すっかり50をすぎたおばさんのくせに、心はセーラー服の女子になっていた菜の花畑。
写真もちょっとレトロ色にしておくとしよう。
ケッタマシーンで青春カムバック?もよし
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