このところ、昭和は良かったという声を周囲でよく聞く。
年上の方、同世代の人、自分より若い人たち・・世代を超えて。
「昭和の歌はよかった」
「昭和のテレビ(ドラマ)は面白かった」
「昭和のデパートは楽しかった」
私にとっても、同じ。
昭和は映画も、歌謡曲も、ファッションも・・・。
戦後生まれは、戦争経験がある方に比べたら苦労は少なく、恵まれた環境で育ったのは本当にラッキーとしか言いようがない。
先輩たちのご苦労から、立ち上がった日本は、30年代から
急激な経済成長を果たす。
モーレツに働き、モーレツに稼ぎ・・・。
そのがんばりから生まれたさまざまな娯楽。
テレビもその頃普及した。そう、オリンピックがきっかけだ。
がんばって働き、ちょっとしたゆとりを楽しみ、またがんばった。
そんなpowerfulな昭和。
ちょっとしたことがとても楽しかった。
子ども会でもらった小さいバタークリームのクリスマスケーキ。
高級食材は入っていなかったけれど、特別な感じがしたおせち料理。
昭和の体験は、すべてがインプットされており、楽しい思い出のままだ。
物質的に豊かになった日本。
一見、それは平成の世も同じに見えた。
でも、あの頃はよかった・・・と平成を思い出すことは少ない。
令和になった。
相変わらず、年末商戦で売り場はにぎわっている。
一方、老人施設で寂し気に、無気力にずらり並んで座っているお年寄りたちの
姿が目に浮かび、この対比になんとも言えない気持ちになる。昭和の時代を現役で生きてきた人たちが、どんどん老いていく。
昭和という時代は良かった。
もう戻れないし、戻る必要はないが、本当に楽しくきらきらの思い出が
詰まった時代。
ちょっとユーミンのような、中島みゆきの歌を口ずさみたい心境だ。