本当に京都の商売人は、言葉使いだけでなく接客そのものも、発想も売り方も上手だと思う。
がっつり売り込むということはなく、大変さりげなくはんなり、すんなりお客さんのハートを掴む。
例えばある和菓子屋の店先。ショーウインドに赤飯まんじゅうというのがある。
それが目に入ったお客は、これは一体なんだろうと思う。
これ、なんですか?まさか。そうです。中にお赤飯が入ってます。へ。まんじゅうの中に赤飯が?
とお客さんはびっくり、じゃあ一度買ってみるということになり、会計しているうちに、次のお客が同じ商品を見つけ同じ質問、そして購入。
面白い商品を考え、さりげなく陳列。その反応を見てさりげなく丁寧に応対。
そのサイクルで商品がどんどん売れていく。
京都のお店にはじっと見たくなる、面白いものを見つけたくなる、そんなゲーム性もあるのかもしれない。そこに並ぶ商品から名前からパッケージから陳列からディスプレイから接客から。おいでやすに始まり、おーきに出終わるまでのドラマが楽しいのだ。
楽しみながら学べる京都という教材。
その種類も奥行きもなかなかである。何度学んでも飽きることがない。