人の表情を180度変える、ひとこと

いわゆる大型バスがたくさん駐車する、ドライブイン。最近は道の駅という業態?になり、はじめて訪ねる街にもそのスポットをみつけると、その町のことを一度に知ることができ、便利と思う反面、その1箇所でその町のいろんな力が透けてしまうので、改めてこのような拠点は観光客を迎え入れるにはよく吟味しなければと思う今日この頃。
どこにでも売っているような土産物が多い店はあまり興味がない、そこにしかない、そこでできた、そこの人たちが手を加えたものをそこの人たちががんばって売っているというのが好きだ。おそらく誰もがそうだろう。
今回たずねた房総のある道の駅ははじめてたずねた町であった。駐車場が満車で人気があるスポットなのか?と思い、つられて駐車、店内を見たが、販売は現地の会社であるが、製造元は記載していないような菓子がたくさんあり、どこで作ったんだか?と少し残念に思っていると、人が並んでいるソフトクリーム屋をみつける。通常は並んでまで何かをするということはしないが、ついつい「びわのアイス」というのに惹かれ、その列に並んでみる。その大きな道の駅の中で、唯一行列ができていた。やはりそこにしかない逸品には人が集まるのだ。そして「プレミアびわアイスクリーム」というのをオーダーする。ひとりの中年の女性が、ひとりでオーダーをきき、アイスを盛り付け、お客様に声をかけ・・・かなり忙しそうだ。どう考えてもひとりでは忙しすぎるぞ・・。ちょっとけわしい顔をしながら、それでもきっちりお客さんをさばいているので、えらいな~と感心。そして彼女が作ってくれたそのアイスと、一緒にオーダーしたコーヒーをイートイン席に持参し、いただく。「これは、おいしい」ここでしか味わえない春のスィーツタイムか。他の売り場がいまいちでもここで帳消しになるぐらいのヒト品があれば、人は集まることを実感。美味しくいただき、使った食器をカウンターに返しにいくとき、そのスタッフの方に「ごちそうさまでした。とっても美味しかったです」と声をかけたら、さっきまで眉間にしわがよっていたような感じのその女性の顔が一転、くしゃくしゃの笑顔に変わった。「ありがとうございます!!」並んでいるお店は忙しい。だからこそ、声をかけたくなる。今となっては、そのびわアイスよりも、あの女性の笑顔が私の中に残っている。
たった一言、声をかけることで疲れが癒されたり、元気が出ることがある。しかもそれはお互いに。
これから、行楽シーズンだ。全国の道の駅のスタッフさん!笑顔でがんばってくださーい。

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