父の本気、無言の返信!

父が入院して、3か月となる。思いがけず、ある日突然、一年の4分のⅠを病院で過ごすことになろうとは、家族よりも本人が一番ショックであることは間違いない。
リハビリ病棟に移って、2か月。毎日熱心な治療&指導のおかげで、父の容態は改善されている。規則正しい生活が人間に生きる力を与えるのだと、改めて実感している。

元気になってきたらきたで、
「早く家に帰りたい!」の願いが募る。
そりゃそうだろう。ある日突然こんな生活になってしまい、早く戻りたいと思うのは当然であり、その気持ちは痛いほどわかる。
でも、まだまだ在宅は難しい・・・。
「早く帰れるように、リハビリがんばってね。とにかくがんばって!」
と見舞いにいくときは、言葉をかけ続け、
「帰りたい」と泣くときは、「帰りたかったら、がんばって」
というしかない。
そして、これもリハビリと思い立ち、父に毎日応援メールをはじめた。

元気なときにも、母に送ると同時に父にも送っていたが、
「そんなもん面倒くさい」といって、返信をしてこなかった父。そんなことまで言われてまで続ける意味がないと一時中断していた。
でも、今は病院で退屈している。メールを確認することもリハビリだ。
「一応、メールしてるから、見てね。暇なんでしょ」
との言葉に頷いていた父。

そして、このたび、
無言の返信が届くようになった。
何か文字が書いてあるわけではないが、父からの返信だ。
「読んだぞ。」という意志なのだろう。
「よし、その調子、その調子」

父は自分が生まれ育った町に、実家に帰りたがっている。
ただ、それだけ。その願いが、彼に生きる力を与えている。

願いが叶えられるように、なんとかしたい。
83歳の本気。フランシスコ様と父が重なる。
83歳。まだまだ。いける。
父の人生が、悔いなきものになるようにしたい。




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