インバウンドという言葉がオリンピック開催に向け、普及している。外国人観光客といえばいいのに、いかにも、目新しい表現が好きな日本人らしく、業界も一般にも・・・。
経済も成長率を重視するが、このインバウンドでも、日本に来た外国人の数と、消費した金額でその成果を図る傾向があるが、そのことについて、懐疑的に思うことが多い。
そんななか、先日、マカオを訪ねる機会があった。
中国の返還後、マカオは大陸のお客様に向け、カジノもホテルもショッピング機能も充実させ、お隣町からの観光客を日々迎え入れている。
特別区になっているから、同じ中国といっても、まだ外国人観光客のような扱いの中国人が、わんさと押し寄せている。
ひところ銀座で爆買いしていた中国人を思い出す、量である。
一方、仕事で京都に出向くことも増えているが、京都駅から観光地に向かう路線、そして観光寺院、町なかは、外国人であふれかえっており、京都の風情は損なわれつつある。
この大勢の観光客は、本当に歓迎されているのだろうか?
マナーも守れず、大きな声で騒ぎ、道やバス内を占拠し、大きなスーツケースで町を闊歩する観光客の群れに、不快感を覚える人は少なくない。
インバウンドが町を汚し、マナーを破り、街の魅力を損ねさせる・・という現実が間の前にある。
日本がマカオが京都が、本当に好きで、興味があって、その土地でなければならないことをしっかり体験し、吸収し、国に帰ってからその良さを周囲に伝えつつ、また足を運び、その土地を理解する。気が付けばその町の応援団になっている・・。地域との交流は終わることなく、友情に変わり、いずれ町と町の関係にもいい影響をもたらす。
と、関係づくりのきっかけとなり、来る人、迎え入れる人両者の人間性や教養を高めてくれるような、そんなインバウンドなら、歓迎だ。
でも、質よりも、量を追いかけている・・・。
数字では見えないことがあるのだけれど、数字が伸びれば成功だと思っている
経済オリエントの人たち。
日本がこんなに荒らされて、もとに戻ることはできるのだろうか?
いやはや、2020はもっと心配である。