ザビエルとマカオと・・

マカオには、フランシスコザビエル教会なる教会がある。
ポルトガル時代のカラーリングを受け継いだ、美しい教会。マカオにはこのクリーム色の壁の教会が多い。
マカオを好きになったきっかけのひとつは、このザビエル教会の存在。なぜ、ここにザビエル教会?ザビエルはマカオも訪ねたのだ…と思いこんでいたら、実はそうではなく、ザビエル自身はここに来た記録はない。

ザビエルによってもたらされたキリスト教が日本では弾圧の時代になり、マカオに逃げてきた、あるいは流された日本の信者への祈りを込め、またこのマカオの近くの島で12月3日に昇天されたザビエルへの祈りを込め、このマカオの未だ静かな島にこの教会が生まれた。そしてザビエルの遺骨の一部も、マカオ市内の教会に安置されている。
本当は、この遺骨も、ザビエルにゆかりの深い日本で安置されるべきであったが、禁教時にそれもかなわず、ポルトガル領土で、キリスト教への深い理解があるマカオで、それを引き受けることになったそうだ。

だから、日本のキリスト教とマカオとの関係は深く、ザビエルとマカオの関係も日本の関係あって深くなっている。
実際に本人が訪れたことがなくても、その名の教会ができてしまうということ自体がすごい。


また今年も12月3日が近づいてきた。マカオの海を眺め、西洋から東洋へ命を懸けた不屈の旅人であり、勇気ある聖人に思いを馳せ、自分の人生の旅を見直してみる。
マカオとは、時代を越え、熱い想いを抱き生きる人にとって、永遠の心の経由地かもしれない。


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