ご近所さんで成り立つ

たまたまのきっかけで知った、あるパン屋さん。
なんとお店は土日のみ開店している。週末にたまたまそこを通ったからその存在を知った。
コッペパンや食パンを店内で焼き、コッペパンには
自家製のジャムを塗って提供する。
とにかく、リピーターが多いようだ。
何回か足を運んだり、連絡先を調べてメールでオーダーしたり、名古屋へ持ち帰って人におすそ分けしたり、原稿を書く仕事で話題として書かせていただいたりしていくうちに、だんだん店主と打ち解け、このたびお店を離れて、ゆっくりお話しを聞く機会を得た。
お店なんだから、定休日以外開けるのが当たり前という常識を大きく覆しているところがユニークだ。この発想は、私にとってとても新鮮に思え、このお店に興味を抱くきっかけにもなった。

でも、実際、週に二日の開店だけでは店が成り立たない?そこが気になっていたが、どうやら、ご近所さんからの予約が大変多いようで、お店は開けないけども予約していただいた方のために別の日も焼いてお分けされているようだ。
1週間食べる分を、必ず予約される。パンはここで。ともう決まっている。その
関係も大変素敵だ。チェーン店が他にない、下町だからの特性もあるのかもしれない。
ご近所さんで成り立っている、頼りにされているパン屋さん。

昔ながらの、ご近所のためのお店。専門店。
とても理想的な、笑顔が生まれるお仕事だ。
自分がおいしいとも思うパンを焼き続け、研鑽を重ねる。
手作りのジャムも好評であるが、あくまでも、パンに塗って提供。
ジャムだけの販売は希望はあるが、しない。
自分はパン屋なので、ジャムを売って、他のパン屋のパンに自分のジャムを塗っていただくのはどうも違うから・・・だからジャムは売らない。
あくまでも、自分のパンに合うジャムしか提供しない。

などなど、いろんなこだわりが、とても気持ちいい。
この感覚は、以前、イタリア暮らしをされたことも影響されているというのも
よく理解できる。

ビジネスを広げようとする人が多い。
ブームに乗ろうとする人も多いなか、地道に自分の仕事をこつこつ続けるその志が、気持ち良くとても気に入っている。

またまた店主とお客の関係が、お友達に発展・・。これはとてもうれしい。

町のパンやさん。がんばってほしい。ひとりでがんばる人、やっぱり共感する。
高級食パンのブームと関係なく、「毎日いただく美味しいパン」を焼き続ける
このお店と、店主が大好きだ。
また近々、オーダーするのが、とっても楽しみだ。

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