赤ちゃんは泣いて要求や感情を表す。
言葉でいえないから、泣く。
成長するにつれ、大人になるにつれ、人前で泣く機会は減る。
いろんな経験のなかで、感情をコントロールできるようになり、
言葉で表現することが基本。
涙を流すときは、感動したときや感情を抑えきれないとき。
いい映画を見たり、音楽を聴いたり、心ゆさぶられるとき、涙することはある。
そして、老いてくると、また涙する機会が増える。
最近、父の涙をよく見る。
年々、そういう機会が増えてきている。
言葉にならない感情、くやしさや寂しさがこみあげてきて、
涙する。
涙は女性特有の感情露出と言われたことがあった。
女は泣くから、感情を出すから長生きだと言われたことがあった。
涙を出すのは、浄化作用だともいう。
父の涙の意味は何だろう。
最近、ずっと父と向かうたびに、不自由なことに対する
複雑な感情を訴える様子に触れるたびに、
悲しい気持ちで、それをみつめ、言葉をかける。
応援するとまた泣く。
涙は言葉にならないコミュニケーションの証か。
もらい泣きしそうになるときは、看護師さんを見習って
距離を置いて それを見守る。
父は生きたい、父は元通りになりたい。
その気持ちを表現しているのだ。
人は・・・。人生の最終章まで生きようとする存在だ。