家と個と、女の意地と。

子どもの頃から、日本の「家」制度が理解できなかった。個よりも家を優先するのが当たり前という習わしが自分にはきつかった。長男なき姉妹の長女として生まれ、幼き頃より、女のくせに、、という一方、将来は婿をと、母親自体が無意識に言うのも不思議であり、違和感も多く、これをいかに突破するかについて、なかなかのパワーを要した。親が想定できない世界の構築はそんな背景もあって今日につながったのかもしれない。

いかに昔は家制度のもとに、個々人は自由な生き方を強いられてきたか。もちろんそれでいい人にとってはそれが一番。人が敷いたレールの上を進むのが気楽という人はそれでいい。

でも自分はそれが嫌だった。だから無理矢理、反対を押し切って家を出た10代。

そして40年の歳月を経て、世の中は想像以上に変わった。

都市化も情報化も高齢化も少子化も、日本の伝統的な社会のあり方を、崩壊へ導いた。

そんななか、80歳になる母が、父不在の実家で奮闘している。地域のお付き合いや。草取りから、、。彼女は、「家を守らないと」という使命感で頑張っている。

家。戦前生まれの母には、その地に嫁に来た彼女には、そこが生きるステージだ。

老体に鞭打って踏ん張る母に、たくましさと女の意地を感じるこの頃。

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