「楽しんでさせてもらってますよ」

病院というのは凄い。どこもそうだろうか?わからないけれども、今回父がお世話になっている病院は、院内連携が素晴らしいのと、お医者さんも看護師さんも
リハビリの先生方も、本当に親切でありがたい方ばかりだ。
今、父はリハビリ病棟でお世話になり、理学療法から言語聴覚、そして身の回りのことができるようになるための作業療法まで、毎日、プログラムが組まれ、交代でお世話いただいている。

おかげさまで随分とその成果も出ているようであるが、脳梗塞でマヒ状態になっている身体を元通りにするには、本人の努力と辛抱、周囲の見守りが必要だ。
このたび、作業療法士の方と面談する。
笑顔でやさしく、日々年寄りとの会話も嫌な顔せず いい感じでお世話してくださっている。家族にはとても真似できない。
「いろんなことをやっていただいて、本当に申し訳ないです」
というと、
「いえいえ、それが仕事ですから大丈夫です。何もお気にされずに。
私たちも楽しんでさせてもらっていますよ」
とのお言葉。仕事は楽しく!この点は、本当に共感するが、老いた患者へのお世話が楽しいとは頭が下がる。基本的に人間愛があるから、会話や笑顔が生まれるのだろう。

医療の現場は、体力も必要で、わがままや意味不明のコミュニケーションもあって、本当に大変であるのに、笑顔を絶やさず、しかも必要なことをきちんと患者に伝え、教えてくださっている。

この高齢化がすすむ現代社会。若い方たちが医療や福祉の現場で仕事をされる
その勇気ある選択に心から感謝をし、出来る限りの応援や協力もしていきたいと
思った次第。

父は、ある意味、今回いろんな若い方にお世話になれて、幸せなひとときを送っているかもしれない。
非日常の病院生活は、いろんな意味で気づきを与えてくれる貴重な時間である。
家族たちが普段の生活ができることが、本当にありがたい。

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