「めぐり逢い」という、20世紀後半、アメリカ映画が世界中に甘い夢を与えてくれた時代のロマンチックな名画にめぐり逢った。
昔の映画って、ひとつひとつのセリフ自体が、意味深く、名言ぞろい。
教育的要素も多分にあったと思う。
まさに、映画で人生を学ぶ、だ。単なる娯楽ではなかったような、そんな永久保存したくなる作品。
主人公の男性が婚約者らしき女性とともに、田舎の祖母の家を訪ねる。
都会の喧騒を外れた、静かすぎるその環境を婚約者が気に入ったというと、祖母は、「若いあなたには、ここは似合わない。ここは老人のための場所で、思い出に耽る場所。あなたはまだ思い出をつくらなきゃ」とのセリフを言ったとき、私はそれまで流ら見をしていたが、思わず手が止まった。
人生における「思い出づくり」は、一番重要な活動なのかもしれない。
日々生きていく中で、出会いと別れを繰り返しながら、そのなかで多くの経験を重ねる。その中から、心に残る経験が「思い出」になる。
充実した人生ほど、いい思い出がたくさんあるはずだ。
思い出は、後で気づくだけで、最初から思い出づくりをしている意識はないが、一生懸命生きていると、思い出が満ちてくる。
一生懸命生きるということは、よく動くということであり、心身ともに活力に満ちていないと、難しいが、一生懸命生きていると、いい思い出もいっぱいできるのだ。
だから若いうちに、思い出をいっぱい作らねばならない。
最近、自分が動けなくなったら、どう時を過ごすかを想像することがある。
思い出に耽るというのも、悪くない。
老人になったら、思い出はつくれないのか?いえ、心身共に健康であればまだまで可能なはずだ。現に、母親は旅行にいくたびに「冥途の土産がまたできた」と、いまだに言っている。
思い出作りができるのは健康な証拠。
そして思い出にふけるのは、その動きをとめてから・・。
いずれにせよ、いっぱい思い出をもっていることで、人は幸せに生きられる、