ラジオ番組でお世話になっている局長は新潟の弟のような存在であるが、本当にしっかり者で感心することばかりだ。
私より大人のところもあるな~と会話していて思うことも多い。年上の人(とくに50代以上)のおつきあいも多く、私はそのなかでは最年少?らしいが、年下の社員たちからも慕われている。この彼が支える会社だから、ずっと一緒に仕事がしたいし、いろんなこと、人を紹介したくなる。ただ、なかなか時間が合わず、ゆっくり話す機会は何か月かに1回である。ビールミーティングと称して、新潟駅の近くのお店に行くのが楽しみだ。今年初めてのその会食。話題は尽きない。社内のこと、得意先のこと、業界のこと、家族のこと・・・。私も話が分かる相手なのでかなり濃い、あるいは本質的な話をしてしまう。今回訪ねたのは開店したばかりの焼き鳥屋。彼とは焼き鳥屋に行くことが多い。
串焼きをいただいたあと、彼は手羽先セットをオーダーした。新潟は焼き鳥が美味しい町だ。
話が盛り上がっているときに、その手羽先が来た。5本入りだろうか?(本と数えるのか??)私が話していると、彼はうなづきながら、おもむろに手羽先を持ち、食べ始めた。そして、時々、「すみません、手羽先もったままで。これ、途中で置けないんで・・・」と言い、また続きを食べる。確かに話している内容と、手羽先がどこかしらミスマッチなのが笑えた。そして、彼がずっと手羽先を持ちながら、時々しゃぶりつきながら・・・というその動作が妙に頭に焼きついた。きっと一人だったら、もっと豪快に食べることができるのに、ちょっと遠慮しているかも・・とこちらも気になり・・。そうこうしている間に、私は終電で行かねばならず、彼だけが店に残り、私は急いで駅に向かった。翌朝「昨日は、手羽先もったままで失礼しました。あれから完食して帰宅しました」という報告メールがあり、そのときの様子が浮かんできて、一人笑った。
何を話すときに何を食するとマッチするのか?あるいはミスマッチなのかはいろいろありそうであるが、手羽先という存在は、どうも深刻な話を軽く、明るくしてくれる傾向があるようにも感じた。
しばらく、彼とのやりとりでは、手羽先がちらつきそうだ。これも楽しいコミュニケーション。次回も、きっと焼き鳥屋に行くだろうと確信している。
「手羽先」コミュニケーションの余韻
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