このたびの朗読劇。3日間で6回の公演。なかなかのハードスケジュールであったと思う一方、慣れてしまえば、全然平気なもの。人間の慣れは恐ろしいが、こういった作品は慣れがないと、余裕をもって演技、演奏できないし、慣れないとお客様にも伝わらない。
そんなわけで、ちょうど慣れてきた5回目の公演のとき。私のピアノのすぐ前に座ってごらんいただいたお客様。朗読にはもちろんであるが、私の演奏にも耳を貸してくださり、終わったあと「あの場面で使っていた曲は??」と熱心に質問してくださり、「いえ、全部オリジナルです」と言ったら、たいそう驚かれ、そこからそのお客様とのやりとりがはじまる。
とくに私のテーマソング「人生は観覧車のように」を大変お気に召していただいたようで、60年代のパリの匂いがする・・など、私が描いているイメージとまったく同じことを口にされ、このお客様は、わかっておられる方だなと感心。そして、そのあと歌詞のことも気に入っていただき、たまたま朗読劇での出会いであるのに、自分がつくる曲や詩に深い関心を寄せてくださった。
そしてお求めいただいたCDを一晩中、お聴きになり、ご自身の生きてこられた道を、時代を、そして若き日に乗られた観覧車を思い出し・・涙されたとの報告を翌朝にメールで早速いただき、今度はこちらの胸が熱くなった。
心揺さぶる曲に出会えた、、、とまでおっしゃっていただけたことがとてもうれしく、しみじみ、じわじわと私の心に染み渡った。
こんな小娘?がつくった作品を、本当に気に入ってくださって、こう聞いてもらえたら・・というとおりの反応をいただき、改めて音楽の仕事っていいと思った。
いい曲を聴かせてくれて、ありがとう。と感謝の言葉までいただき、ただただ恐縮。有名にならなくてもいい、出会う人、出会うひとりひとりに向き合い、感動を伝える仕事を・・。
人生を振り返ったり、シアワセな時代を思い出したり、心の旅の行き先はさまざまなあるが、その道しるべに自分の音楽がなれるならば・・。
最近、気に入っていただける新しいお客様に出会い、泣いたり笑ったりしていただけることが本当に幸せだ。
人生は観覧車のようにしみじみ じわじわ・・感動とともにくるくる回りたい。