箱と表現

演劇の世界では、劇場のことを「箱」とも呼ぶようであるが、まさに玉手箱であり、宝箱、夢箱である。
前回の演劇公演では、劇場での開催であったが、今回は下北沢のカフェバー。
作品の舞台が遊園地であるので、また朗読劇でもあるため、より想像が膨らむようにと、このようなカフェを作家自らが見つけて、決定。
これまで、私自身もライブハウスやレストランでもライブをしたり、演奏をしたことはあるが、このような空が見える空間は初めてで、一歩ここに入った瞬間から、ここでそんな世界が創れるのだろう、新たな世界が生まれるのだろうと、どきどきわくわく・・。
そして、空が見え、オープンテラスにもなるので、昼と夜、天候によって表情が変わるという点も大きな演出になる点も特徴だ。

こんなクリエイティブな空間で、役者は朗読をし、私はピアノを奏でる。
お客様とは1メートルも離れていない。その表情はよく見えるが、こちらこそ、ずっと見られている。
たまらない緊張感のなかで、この箱のなかで、仲間たちとそして観客のみなさんと一緒に「ひとつの作品」を作り上げる。
役者たちの練習も10回、音楽合流の稽古はたった2回、という短期間での本番でその意味での緊張感もあったが、この素敵な「箱」のなかで、楽しく演じ、感動のドラマを作るという経験をし、またお客様にも感動を受け取っていただいた。

商品にはパッケージがあるように、演技、表現にも箱、器があり、その表情が変わる。
「真夏の雪」。おかげさまで東京公演3日間6公演無事終了。次はサクラサク信州は上田へ。
次の箱も楽しみに、新たな感動を創りに出かけたい。


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