生まれた街、自分が通った小学校区下で、地元のことを歌ったオリジナル曲を
ぜひ地元の人に聴いてもらう機会をと、コンサートのご依頼を頂いた年度末。
平日の昼下がり、会場へ50名ほどのお客さんに集まっていただいた。
題して「マーサのお元気&幸せライブトークショー」。
集まっていただいたお客様は、昔からよく知っているおばちゃんばかり。
同級生のお母さんがあまりに多いことに、
改めてここが地元であることを認識する。
不思議なことにこの、昔の近所のおばちゃんたちは、
今もおばちゃんのままである。ただ、半世紀の歳を重ねた。
だから当時20代だったおばちゃんは、今は70代。80代の方ももちろんいる。
でも、私にとっては皆さんは、おばあちゃんではなく、おばちゃんのまま。
それにしても、なんとまあ半世紀ぶりにお会いできるとは。
皆さんニコニコ顔で昌子ちゃんの登場を待ってくださる。
今日は爆笑シリーズで行こう。
ちょっと恥ずかしいが、そこは子どもの頃から慣れ親しんだ
吉本新喜劇をお手本に、派手な花の上着に、ランドセルがわりにリュックを
背負い、黄色い帽子の代わりに黒い帽子と手持ちの道具を使って、
へんな恰好で「一年生になったら」を歌いながら、元気に行進入場。
何が出てきたかとびっくりしたおばちゃんたちは爆笑の渦。
それから55歳になったまさこちゃんは、1時間全身で話し、体を動かし、
歌を歌った。
おばちゃんたちは、ずっとにこにこ笑って、私が言うままに手を動かしたり、
口を開いたり、そして爆笑。
次は何が出てくるか・・。おばちゃんたちは心からリラックスして、
昌子ちゃんのへんてこな誘いにのって、おつきあいくださった。
最後は地元愛の歌「みのり愛」を全員で歌った。
自分が数年前に作ったこの歌が、今は地元の女性(おばちゃん)たちの間で
歌い続けられている。合唱や大正琴や・・。だから、みんなうまい。
自分が作った曲を、近所のおばちゃんたちと一緒に歌えるなんて、
なんという幸せ。
半世紀ぶりにお会いした、同級生のお母さんたち。
自分の親と今もおつきあいいただいている。
きっと私の演奏やトークを見聞きしながら、
ご自身のお子さんの人生と自分のことを思い出されたことだろう・・。
おばちゃんのにこにこ顔、時折泣き顔に包まれ、無事ライブ終了。
大きな拍手とお言葉をいただいた。
「元気になった」「やっと会えてよかった」
「マサコちゃんのおかげでまた長生きできるわ」・・・・などなど。
主催者から「人を元気や幸せにすることができる仕事って、
本当にいいですね」とありがたいお言葉をいただく。
いくつになっても、ここに戻ってくれば、いくつになっても
私は「昌子ちゃん」なのだ。
ずっと呼び続けてくれるおばちゃんたちが、
この町にいてくれる時間が続くようにと願っている。
帰ってきた昌子ちゃん・・・。これからも楽しみに待っていただけるように、より一層・・。
18歳で出ていったから・・こその「帰ってきたまさこちゃん」である。