私の夢のひとつは、地元に駅ピアノを実現させること。(相手あってのことであり、タイミングもあるので、実現の可否は未定であり、妄想段階であるが)
NHKで放映されている「駅ピアノ」は人気の番組のようで、何度も再放送を繰り返している。空港や駅に置いてあるピアノを、旅行者・駅利用者・通行客などが自由に演奏する様子をカメラが撮り続けているという番組。
ま、やらせではないだろうとは思っていた。でも、こんなにいろんな駅や空港でよくピアノがあるもんだとは思っていた。
このたび、フランクフルトから日帰りのパリ行。ICEという特急での移動。パリの鉄道駅のひとつ、東駅を利用する。午後4時すぎ、買い込んださまざまな荷物をずっしりと持ち、背負い、地下鉄に乗って、東駅に無事到着。朝10時に到着し、17時すぎの出発。わずか7時間の滞在。午前より夕方の方が駅はにぎわう。
コンコースに向かう途中の大きなスペースが、オープンな待合室になっており
そこに一台のアップライトピアノがある、というか、姿が見える前から音が聞こえていたので、近づいてきたらわけだ。
そのピアノに写真の青年が座り、弾いている。聞いたことのない曲だ。とくに人が彼を取り囲むということもなく、みんなそれぞれに椅子に座り、巨大なリビングにいて、そこにあるピアノを家族が弾いているような感覚で、普通に自然に演奏が駅に響き、馴染んでいた。熱狂でもなく、空間のBGMのように・・。
彼も駅の利用者だろう、リュックが椅子の横に置かれている。
私もこの荷物さえなければ、もし誰も弾いていなければ、迷わず弾きに行っただろうが今回の荷物はとても多すぎて、また演奏している人の後ろに並んで待つのも無礼が気がして、「また、今度」と、駅ピアノに分かれを告げ、コンコースに向かった。駅ピアノ。
欧米では、こういった光景が日常であり、とても良い。
いつか、地元でもこんなことを・・・と改めて思った次第。