「デミタス・デミタス・ルルルルル♪」な気分

ひみつのアッコちゃんは、私の幼少期にかなり影響を与えた。小学校1年のとき、あのコンパクトのおもちゃを買ってもらい、本当に鏡を見て呪文を唱えたら、変身できるのかなと信じ、何度も試していたころが懐かしい。
久しぶりにそのことを思い出したのは、ある美術館でのこと。
日本橋の私設美術館で開催中の「デミタスコレクション」を見学し、この「デミタス」という音が、そのアッコちゃんの呪文に似ているような気がしたのだ。
(意味的には、実際には関係ない)
この「デミタス」とは小さいカップという意味のフランス語で、エスプレッソやトルココーヒーを入れるのに使われてきた。コーヒーの歴史といえば、この小さなカップの歴史ともいえるかもしれないし、それは陶器の装飾の歴史かもしれない。
ちなみに、コーヒーは17世紀前半にトルコからヨーロッパに伝えられたとのこと。のち、世界に広まった。紅茶の歴史とどっちがどうかは、いずれも植民地支配の歴史とも関係ありそうだ・・。イギリス、フランス、ドイツをはじめとした欧州各国のデミタスカップのコレクションを見ながら、王妃になったような、モーツアルトを聴きながらカフェを飲んでいるような、そのコーヒーの香りを想像しながら・・。そして、いろんな懐かしめのメロディも浮かんできて・・。まさにタイムトリップしながら心の中で変身してしまった。
小さくて可憐で、小さいのに凛として・・デミタスカップはとても存在感たっぷりの貴婦人のような存在だ。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク