惜しまれて引退が、いい。

この度の稀勢の里の引退記者会見は、多くの日本国民が何度も目にしたのではないか。
初場所4日目の引退とは・・。
当日のすべてのニュースのトップを飾るほど、注目の話題なのだろう。
 私も何度か、この会見を目にした。前日行われた、どこかの潔白表明のための記者会見とはまったく違う、感動的な会見であった。
 まず、この力士は、なんと良い顔をしているのだろう。としみじみ思った。
イケメンであるとかそういう薄い話ではなく、いい意味で日本人らしい、品のある、男らしく、そして優しく、透明感のある顔だち、そして表情。
そして、記者からの質問によく考え、丁寧に答えようとする姿。いろんな思いがこみあげて涙をこらえての場面には、こちらもうっときた。
悩みながら、苦しみながら、いろんな人の顔が浮かびながら、横綱なんだからというとてつもないプレッシャーと戦い、そして怪我と戦い、この2年間を生きてきたのだろう。
そして、引退。
本当は、負けてもいいから、千秋楽まで戦ってほしかった。そこまでやってほしかったと思うのは、無責任だろう。ご本人が決めていたのだから、これでおしまいなのだ。
 彼の引退の言葉を聞きながら、心から拍手を送った。
これまで、負けたり、休場の報せをきくと、「も~、横綱のくせに」とか正直思ったことがあったが、本当につらかったんだろうな、ごめんね!謝りたくなり、また、なんともそのひたむきさに心うたれ、これからもっと応援したいと
いう気持ちでいっぱいになった。

 惜しまれながら引退する。これは大変勇気がいることだと思うが、素晴らしい
人生の選択だと思う。
別の業界では、いつまでもその座にい続けたい人もいるようであるが、
ごまかさず、居座らない。見極めて、座を去る。この勇気には感動を覚える。

これからの活動に期待したい。まだ若い。ご自身の経験を活かして、強い後輩たちを育ててほしい。

 引退と聞いてから、好きになる。こういうこともあるもんだ。
自分は悔いなし、人に惜しまれる。
これはいい生き方だ。見習いたい。

とにかく、一生懸命やること。ひたむきにやること。
そのことが、道をつくるのだ。

稀勢の里、大変お疲れさまでした。そして、ありがとうございました!




カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク