パリのお礼をnagoyaで。

三が日を過ぎた日、名古屋駅にあるATMコーナーはやけに混雑。セールのお買い物のためか、帰省の交通費か、年始の振り込みかとにかく行列だ。普段ならやめて改めて出直すが、時間もあったのでそのまま並び、数台のマシンの順番を待った。その数台のうちの一番左端のマシンはなかなか人が入れ変わらない。何だろう?よく見るとバックパッカー風の外国人二人連れが、マシンの備え付け電話でやり取りしている。ああ、渋滞の原因はここかあ。
他のマシンは順調に回転、自分の番がやってきて、たまたまその外国人のとなりのブースに。お隣の様子が気になって、どうも困っている風のお隣さんに、声をかけた。

するとクレジットカードで現金を出したいがうまくいかないので、その電話で担当者に聞こうと思ったが、先方英語がわからないということで、お困りのご様子。

 海外のATMでクレジットカードでの引き出しをしたことがあったので、電話口の銀行スタッフに「 隣にいた客ですが、私がお教えしますね。」と伝え電話を切って、その外国人のお客さんと一緒に画面操作をした。

ちょっと選択ボタンを間違えていたので、うまくいかないことが判明。それがわかるとマシンが反応し始めた。
「はい、ピンコード押して。私は見て見ないから」「いくら引き出すか金額入れて」すると彼女たちが一万円と入力するので、「そんな金額で少なくない?1万円はすぐなくなるよ」とちょっとお節介。「大丈夫。空港までの電車代だけだからこれでいい」「ああそうか。ならば十分」というやり取りを通じ彼女たちの操作を見守る。するとマシンが反応して一万札が出てきた。すると彼女たちたいそう喜んでハグ、そこに私も巻き込まれ、なぜか三人でハグ。早くせいと列に並んでいる人たちから見たら、どう見えたことか。その後、二人は無事セントレアに行き、無事帰国しただろうか。

 ATMで声をかけた時、実は20年以上前にパリの地下鉄で強盗に遭って、そこにいた人に助けていただいたことを思い出した。旅先でお世話になったことは一生忘れない。こんな小さな出来事でパリの街が蘇り、とても懐かしくなった。
海外の人が多すぎるといろいろ気になることも多くなっているが、出来る限り
善意のコミュニケーションをしていけたら・・・と思っている。


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