人は不老長寿を、いや不老不死を願い、それに向けて努力する生きものだ。
ほかの動物にはない、人間という生き物は、あくなき欲望の塊だ。
その欲を満たすために、努力をする。夢といえば聞こえが良いが、欲である。
「こうあったらいいな」
この無限の願望、欲望があるから、すべての産業が発展し、こんなに豊かな社会になった。おそらく平成は、その豊かさを当たり前のように享受できた時代であったのだろう。
こんなものが食べたい、こんなものを持ちたい、こんなところへ行きたい・・・
ネット社会はその欲望を満たすには好都合の環境であった。
その一方、ネット社会のせいで、この欲望にセーブがきかず、人は我慢できなくなり、自己中心になった・・。
そして、ITの進化は、AIにまで発展し、人間の代わりにいろんなことができるようになり、一見、人間社会を支え、一方、人間の存在を脅かす可能性も出てきた。
このテクノロジーのおかげで、今、長寿が可能になった。先端医療のおかげで、
病気は治る、人は死なない・・。
のだそうだ。
正直、それはとても困る。
150歳まで生きるという話題が出始めているが、お願いですから、もう結構です。なんのためにそんなにロングライフを望むのか私にはさっぱり理解できない。
以前、自死を選びその後反響もすごかった西部さんのことが、今も時折頭をかすめる。
その気持ちはわかるなあ。もちろん自死は周囲に迷惑をかけるので、やっては
いけないが、敏感な人には、生きることは本当につらく、先が見えてしまうのだからたまらないのだと推察する。
お願いだから、死なない社会を作らず、自然に生きて、そして自然寿命で人生を閉じることができる世の中であってほしい。
人の死が軽くなり、人の生も軽くなり・・・。
私には、いろんなことがさっぱり理解できなりつつある・・。