彼女の店は、日本ではなかなか出会えない異国情緒たっぷりの雰囲気を醸していた。長崎の出島周辺を歩いているとき、偶然みつけ、足を止めた。
どことなくNYのマンハッタンにあるブティックに似ている感じだ。
彼女がNYに発注をしたものはすべてユニークだ。モロッコやアフリカ産の珍しい品々、オーダーしたこだわりのアクセサリー、小物・・・。センスの良さとどこかに装いの楽しさがにじみ出る。心明るくなる、そしてどこまでもスタイリッシュに・・。と、世のおしゃれ人に世界のさまざまなファッションを提案している。
どの商品をとっても、オーナーである彼女の思いが詰まっており、ブレナイ品揃えがとても良い。
東京でも出会ったことがない、やっぱりNYのSOHOあたりにあってもいいようなそんな店構え・・。長崎に行くと、毎回前を通った。ああ今日はやってない、やっていた・・そんな繰り返しも楽しんでいた。
年末に、久しぶりに店に顔を出す。なんとなく、今日は行っておかないと・・という気持ちになったのだ。
すると、「ああ、来てくれたんですね~。実は・・・」
残念なことに、健康上の理由で、年内でお店を一度閉めるという。
それを聞いて、びっくりしながらも、お店があるうちに来られて、来てよかったと思った。
そして、彼女の素敵な世界に触れることができて良かったと思った。
人間不思議なもので、終わるとなると、急にあわてて、それまでにしておけば
よかったような話をしたり、親密になったりする。
彼女がやはりNYに住んでいたこと。そして、長崎に戻ってきたらNYに買い付けも頻繁に行けないこともあるので、TOKYOにも出向いたが、そこには私の欲しいものはなかった・・それがTOKYOへ行ってわかった・・との言葉にも共感。そうだ、NYにあるものが、TOKYOにあるとは限らない。チェーン店ならあるが、それは求めていない。
長崎にあるお店なのに、県外のお客様が多いという。観光中にたまたま来店して、あるいは何かのきっかけで店の存在を知り、あとはネットで買い物をする人も多い。
だから東京にある必要もないし、東京と関係なくて良い。
お店はネットショップでもいいので続けてほしい、そして体調が万全になったら
ぜひもう一度、お店を再開してほしい。
そんな言葉をおくるために、気づいたら二日続けてお店を訪ねていた。
今後、長崎に来るときには、ここにお店はなくなっている。
寂しい感じがする。でも、また新しいスタートがはじまることを期待し
彼女の体調回復を祈っている。
NYの夢を身近で見せてもらって、ありがとう!
こういう仕事も良い。彼女が好きなことをやっているから・・・そこがNYらしいい。長崎でNYの話ができる、センスがわかる人に出会えて、よかった。
今は彼女TAKAKOさんの健康を心から祈るのみ。