ホテルやレストランなどのトイレに設置してあるトイレットペーパー。ここは実はとても重要なおもてなしポイントだと思っている。ちゃんと次の人のことを考えて、ペーパーの端を三角形に折り込んで、次の人が使いやすいようにしておくことは、実は誰もができる、簡単なエチケットであり、ささやかな行為であるが、とても意味ある素敵なおもてなしだ。
お掃除のプロの多くは、トイレットペーパーをそのように三角形にされているはず。さすがに家でそこまでやっているかどうかは疑問であるが、家でもやっているご家庭があったら、かなり生活レベル・意識が高い素晴らしいお宅だと思う。外国のトイレではその習慣は見たことがない。どんな高級ホテルでもだ。これは日本固有のきめ細やかな気配りだろう。十年近く前に、上海のできたてのホテルに泊まったとき、トイレの便器のなかにバラの花びらがまいてあったのには困った。これは詰まってしまう、あまりうれしくないおもてなし・・。
であるが、ペーパーの先端を三角に織り込んであるのは、何気なくうれしいおもてなしだ。先日ある高層ビルのトイレに入ったときのこと。お掃除の方がせっせとお仕事されていた。なんだか入るの悪いな~と思いつつ、「いいですか?」と断って使わせていただく。ちゃんとトイレットペーパーが三角形になっていた。これは戻しておかねばと思い、使ったあと、三角形にして外に出た。出るときにお掃除の方に、「トイレットぺーパー、ちゃんと三角形にしておきましたから」と、声をかけたら、その方、嬉しそうに「どうも」と返してくださった。これから、お掃除の方がいてもいなくても、毎回そうしなくちゃと思った次第。日本のおもてなしは、こんなところからも・・・。みんなでぜひ心がけたい。