91歳になられた、元恩師。
会社員時代のボス、元社長。
私が脱サラした直後に、社長を引退された。
久しぶりにお隣に座らせていただき、いろいろお話をさせていただいた。
昔から、情熱的でちょっと妄想もされ、それが当時のビジネスにもプラスの影響があった。
環境破壊を考えるために、南米アマゾンの写真集を発行したり、
印刷会社の枠を超えて新しいビジネスをつくろうと、マレーシアや香港にマーケティングリサーチに
出かけ、よく同行させていただいた。
出張中に阪神淡路の大震災が起きたことも、忘れられない思い出だ。
その方のお名前はミスターホンダ。
本当に尽きない話題の持ち主であった。
酒類業界からの転身組で、印刷業界に大変興味をもたれた。
そんなミスターホンダが、今回2つ私に残した言葉。
ひとつめ
「印刷はグーテンベルク以来の人類の文明だ。今、印刷会社は今こそ、それに代わる、新しいバイブルを
作らなきゃいけないんだ。わしにはできなかったけれども・・・」
やっぱり、印刷といえば、聖書だ。私もまったく同じ理解をしているだけに、この言葉に勇気を得た。
そして、
「今尾くん。わしは、君の弾く、ショパンの幻想即興曲が聴きたい」
とのお言葉。
印刷と音楽。
ミスターホンダは、本当に理解してくれていた人のひとりだ。
91歳。
100歳になられても、まだまだ語り合いたい。
やっぱり妄想でき、情熱と愛のある経営者に、心動かされる。
素晴らしい上司のもと、学ばせていただいた若き日々を
改めて愛おしく懐かしく、そして誇りに思う。
そして、恩返しをしなければならない。