ドラッグストアは、今やスーパー、コンビニに匹敵する、市民の味方、
そして地方の郊外では、隣の台所になっているような店舗もある。
近くに食品スーパーがない店舗では、お刺身や寿司など生鮮食品こそ
並んでいないが、カット野菜やさまざまな加工食品が店頭に並んでいる。
手間をかけず、単身者や老夫婦がその日暮らすのに必要で便利な食品たちが
ちゃんと手に入るようになっている。日用品も日常食もここで足りる。
車で遠方に行けなくなった人たちにとっては、近所で全部済ませることができる。
それが大きな敷地に建つドラッグストア。
医薬品や日用品だけでなく、日々の食事においてもこんなにドラッグが
身近な存在になっているとは、駅前や町の中心にあるドラッグストアだけを
利用している間は気づかなかった。
さらに、郊外のドラッグストアを訪ね、驚いたことがあった。
それは、ある紙製品売り場の大きさ!にびっくり。
それは「大人のおむつの売り場」だ。
家族や本人以外、必要性を感じない人には、まったく視界に入らないが、
ひとたび意識して見てみると
その品揃えには、本当にびっくり!
女性の生理用品の売り場よりはるかに、そして赤ちゃん用のおむつ売り場よりも、
大人の紙おむつの売り場が断然大きい。
いつから、こんなことになっていたのか?
時代の変化をこんなところで感じるとは・・・。
紙製品売り場の割合で、その地域の住民の内訳がわかってきそうだ。
そして、この大人用紙製品については、
売り場占有率だけでなく、そのバリエーションにも驚く。
最近は、紙おむつだけでなく、男性用のパッドも多くなり、しかも種類が豊富でびっくりだ。
吸収量で細かく種類が分かれており、現在の自分から見ればそこまで必要か?といった品ぞろえだ。
子どものおむつよりも、圧倒的に広くなった大人のおむつ市場。そしてきめこまやかな需要に
対応している。それだけ需要があるわけだ・・。
これが必要とは思いたくない、そんな日がくると思いたくないが、こんなにも
売っているという現実。
そろそろ必要かなと思っても、ちょっと勇気がいるものでもある。とくに
ナフキン暮らしに慣れていない男性にとってはかなり抵抗があると思う。
いきなり大容量のものをドーンを買うのは、勇気がいる。
ちょっとサンプルで試して、役に立てば継続的に使えばいい。
だんだん慣れていく・・・そんな日用品なのだろう。
と、使い始めが難しいのも、大人用紙おむつの実態だろう。
自分で食べ、自分で出せる。
このあたりまえの人間としての
基本的な行動。できる限り長く維持したい。誰の、何の世話にも
なりたくないものだ。
と、郊外のドラッグストアで、
高齢化と暮らしの変化、そして人間の尊厳を考え、
現実という荷物を改めて背負い、
ちょっと重い気分で店を後にした。