酒と泪と京都と女・・・

先日の投稿に書いた、
十数年前に、京都で知り合った年下の女性のこと。
彼女が働く居酒屋で客として通い、応援してもらい、こちらも激励し・・。
つとめていた店での仕事を卒業し、パートナーとはじめた居酒屋。
もう開店して7年になるとのことであるが、開店当時を振り返れば、自分で
店をやるということについての初々しさと、希望とが じーんと
伝わってきたこと自体が懐かしい。

その彼女に約束しつつも、再会する機会を逸し、
彼女は帰らぬ人となった。

パートナーから報せていただき、お店をたずねる。
店主である彼は彼女本人のように、お店の玄関で私を出迎えてくれた。

これまで、彼と話したことはなかったが、そのときは
もう何度もお会いしたような感じがした。
でも、そこに彼女本人は、いなかった・・。

パートナーは彼女の最期について、遺影を見せながら
話してくれた。そして彼の携帯に保存されている彼女の
さまざまな写真を見せてくれた・・。

どこか近くに行って、もうすぐ帰ってくるのではと思うような
感じがした。

なぜ亡くなったのか・・。
どうやら お酒が原因とのこと・・。
うら若き40代の女性が・・。でも、それは実は想像していた
ことと変わりなかった。

やっぱりそんなことで・・。
仕事柄もそうかもしれないが、酒を飲むことが常習になり、
飲まずにいられない何かもあったのかもしれない。

そして病んで、帰らぬ人になる・・・。

なぜ、そんなことで・・。

ふと、彼女が飲むときの気持ちを想像した。

彼女が周囲の人にメールで送ってきた1枚の写真が
遺影となった。
本人のご希望のようだった。

その1枚は、なぜか横顔で・・。
「なんで、遺影が横顔なん?」
周囲がみなそう突っ込んだそうであるが、
何か彼女の生きざまを思うに、それがなんだか
わかるような。

河島英五の歌をちょっと思い出しながら
でも、
今回はやっぱり
「酒と泪と女と京都・・。」

マスターはおすすめの品で
営業時間外の客をもてなしてくれた。
遺影を前に、ゆっくりいただいた。
彼女がそこに立っているようでもあった。
マスターと
最後に何度も何度も握手した。
がんばってといったら、あかんのやけど、
でも、がんばってね。
と声をかけた。

相方さんがこれからも、京都で彼女を想って
がんばっていかれるお店。
京都にいたら、時々たずねて、声をかけたい。

ほんまに・・・。なんで?あかんて・・。

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